完全食−その4

食品の国際的な規格に"Codex"(コーデックス)と呼ばれるものがあります。

国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が設定した国際的に共通・共用する食品の規格のことで、さまざまなものがありますが世界的に目標とする共通ルールです。

「完全食」:Complete foodは比較的に新しい呼び名のカテゴリーですから、当然これの共通規格は無いのですが、実はこれに似たカテゴリーの規格がいくつかの国に存在します。”Meal Replacement”と呼ばれるもので、日本語でもそのままミールリプレイスメントと呼ばれたり、置き換え食とか置き換えダイエットと呼ばれたりします。

これらと相関するCodexの規格があります − ”CODEX STANDARD FOR FORMULA FOODS FOR USE IN WEIGHT CONTROL DIETS/CODEX STAN 181-1991"

そのまま意味合いを捉えると「体重管理のための調製食」と言うことで、一例で言うと痩せるための食事管理をするときの食事代替品です。他には一部のアスリートの体重管理で求められる通常とは異なる食事栄養が挙げられます。見方を変えると、そのような場面でも食事として最低限は摂らないといけない基準を示しているものと考えられそうです。

一定期間、通常の食事を制限して代替食で過ごすとなれば、単にカロリーをコントロールするだけではなく必要な栄養を満たしていないといけません。したがってこのCodex規格は意味のあるものと思われます。

「完全食」ですから、とりあえずこれだけを摂って過ごす人のことも考えるとこのCodexの基準はよく当てはまりそうです。またこの「完全食」(GoCLN自然派完全食)はこれだけで完全無欠の栄養を提供するとまで言い切っていないものですから、通常の食事と組み合わせて補完的に使用してもらっても構いません。そのときにもCodexの基準は基礎的な栄養として十分に意味があります。

 

内容を見てみると、まずエネルギーは1日800〜1200kcalを1日に3回か4回に分ける。最小と最大で考えると、1食あたり最低200kcalは必要で、400kcalまでにしましょうと読み取れます。ここは栄養素等表示基準値の1日2200kcalとは前提が異なります。

実際に海外の「完全食」の多くが、1食200kcalまたは400kcalに設定されています。ちなみにカロリーメイトのブロック1本が200kcal、1包装2本で400kcal、カロリーメイトドリンク缶とゼリーは1食200kcalです。GoCLN自然派完全食 ココア味は1食55gで202kcalです。

三大栄養素のたんぱく質(プロテイン)はエネルギーの構成比率として25〜50%に設定し、総量で日125gを超えない。またたんぱく質の栄養スコアとしては卵または乳タンパクと同等である。不足分はL-体のアミノ酸を追加しても良い。

脂質は総エネルギーの30%以下とする。

炭水化物の記載はありません。という事はエネルギー構成要素のたんぱく質、脂質を除いた分が炭水化物という理解ですが、ここには日本で重視する炭水化物栄養よりも、ケトン体を中心とした栄養の思想に近いものが見られそうです。

ここでは三大栄養素のバランス(Protein, Fat, CarbohydratesからPFCバランスと呼ばれます)がポイントとなりますが、GoCLNでは5:3:2となるように設計しました。たんぱく質を重視した設計です。

ただし、GoCLNでは自然由来原料を多く用いることコンセプトとしているため、この比率の思想を下にあまり数値の遵守に硬直化せずに設計しています。

日本の一般的な栄養所要のPFCの比率を見ると炭水化物が大きな割合を示します。これは伝統的な米食を基に割り出した数値と言えそうです。一方で、完全食のような加工食品に炊いたお米を使用するわけではありません。一般的にはトウモロコシなどから精製したデンプン、その分解物やこれら由来のシロップなどが用いられます。この手の素材をたくさん使用して、定められた栄養設計を満たすものを作って、果たして目的に合っているのか?というのが疑問でした。したがってこのCodexの三大栄養素の基準を参考に設計した次第です。

ビタミンとミネラルについてもそれぞれ定められているのですが、概ね日本の基準と同等です。1日3食か4食とするかにより、1日の所要量の33%または25%以上とするように求められています。

先の三大栄養素とは異なり、こちらは日本の基準を参考にしたほうが分かりやすいため、前にも述べた栄養素等表示基準値を用いて設計しました。

GoCLNでは1日4食まで摂ることを念頭において設計しているため、1食で1日の25%以上のビタミン、ミネラルが含まれるようにしています。一方で栄養成分表示の欄には3食あたりの栄養素量と充足率を示しています。これは3食でもそれなりに栄養素が含まれていることを示すとともに、4食という少し目標過多な響きに縛られないように配慮したためです。

以上のような経緯で、設計のバックグラウンドには科学的な根拠や示された基準を参考にしたレールに沿いながら、全てを縛られすぎずに柔軟に摂取して頂けるように考えて作られたのがGoCLN自然派完全食です。

単なる栄養素の数値合わせではなく、少なくとも記載したようないろいろな事を考え、盛り込んでいます。ただし、旬の食材をたくさん一時期に食べるのと同様で、自然派素材はいちいち型にはめているとその魅力が半減するように気がします。実際にこれを摂取してもらう場合には、こんな四方山話は忘れて、気軽に1食山盛り3杯を、これも多少の量の大小は気にせずに取り、シェイクして飲んでもらいたいなと思います。

GoCLN自然派完全食ココア味